




目次
親の介護をしたくない理由

理由を明確にして、対処方法を考えましょう!
時間の余裕がない
一つ目は時間の余裕が無くなること。

✓働いている
✓子育てをしている
✓自分のやりたいことがある
などなど、時間の余裕がない方は、介護をするには厳しい状況があるでしょう。

金銭的余裕がない
二つ目は金銭的余裕がないこと。


かかる費用は介護レベルにもよりますが、介護サービス利用代、オムツ代、通院費、住宅改修などなど
「自分たちの生活でも手一杯なのに、親の介護費を負担するなんて無理…!」なんて方もいらっしゃいます。
親と仲が悪い
三つ目は、親との関係性が悪いこと。
そもそも親と仲が悪くて関わりたくない方は、面倒を見るのは、確かに嫌ですよね‥‥。
ましてや自分が小さい頃、親には厳しくされて嫌だったなんて方はなおさら嫌ですよね。

身体的・精神的に大変
四つ目は身体的・精神的に大変だということです。
お風呂に入れたり、寝たきりの方の場合は排泄介助したり、身体的に大変で
腰を痛める方が多いです。

精神面では、弱っていく親を見ることと、とにかく自分の余裕がなくなり、追いつめられてしまうことがあります。
「なんでこんなに大変な思いをしなければならないんだ」と親や自分を責めてしまう場合もあります。

親の介護はしなくても大丈夫?義務はある?


親の介護は放棄しても良いの?

扶養義務という法令のもと、法律上親の介護は放棄できません。

親の介護、”扶養義務”とは?
民法877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある
という法令があります。

でももっと分かりやすく教えて!
・親や配偶者など、一定の関係にある人が、経済的に支援する義務のこと
・一般的には未成年の子どもや年老いた親を支えることが含まれる
・法律や社会規範に基づいて、必要な生活費や医療費を提供することが期待される

・生活保持義務
・生活扶助義務
の2種類あります。
親の介護は生活扶助義務に当たります。
生活扶助義務について
この義務は、生活に困っている親族に対して、必要に応じて生活を助ける責任を指します。
具体的には、
・親が高齢で生活が困難な場合
・兄弟姉妹が失業や病気で生活に困窮している場合
など、生活の支援を行うことが求められます。扶養する側の人が自分の生活を通常通りに送れることを前提に、その余力の範囲内で、扶養される側の人を経済的に助けるという義務です。


介護をして、扶養をする側の生活が苦しくなったら共倒れしちゃうこともありそうだもんなあ
・親の介護は義務であり、原則放棄出来ない
・扶養義務の内容は経済的援助だが、経済的援助が難しい場合は日常生活を見るなど面倒見的扶養も求められる
・扶養する側の生活が通常通り送ることが前提であり、その余力の範囲内で行われる
親の介護、放棄したらどうなる?


以下の刑罰は責任を問われる可能性のあるものです。
・保護責任者遺棄罪
保護責任者(例えば親の介護を担う子ども)が、その保護を要する者(親)を遺棄したり、扶助を怠ったりした場合に適用されます。罰則は3カ月以上5年以下の懲役です。
・遺棄致死罪
→遺棄によって被害者(親)が死亡した場合に適用されます。罰則は3年以上の有期懲役です。
・傷害罪
→介護放棄によって親が傷害を負った場合には傷害罪が適用される可能性があります。罰則は15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
・致死傷罪
→介護放棄が原因で親が死亡した場合には致死傷罪が適用されることがあります。罰則は3年以上の有期懲役です。
・高齢者虐待防止法
→高齢者に対する虐待を防止するための法律で、介護放棄も虐待の一形態とみなされることがあります。 これに基づく行政処分や刑事罰もあり得ます。


誰が親を見るべき?



・必ずしも長男長女が親の面倒を全て背負う必要はない
・家族で話し合い、各人がどの程度介護に関わることができるかを確認し分担を決める
・親の希望や意向も尊重しながら、全員が無理なく協力できる方法を見つけることが理想
・全員で協力し合い、決して一人の負担が大きくならないようにする
親の介護をしたくない場合の対処方法は?


親の介護、どんなことをする?
”親の介護”と言えど、親の介護度によって変わります。
入浴、排泄、食事介助や通院、服薬管理、料理、買い物、掃除などの生活の中から、親がどこまで自分で出来もの、難しいものを理解し、難しい部分に対してフォローするイメージです。
なので介護者が生活のこと全てを担わなければいけない!というわけではありません。

兄弟姉妹・親戚に頼る

兄弟姉妹、親戚に話してみましょう。
そうはいっても、自分だけ親の面倒は見れないから後はよろしく。なんて言い方をしたら反感を食らうことでしょう。
まずは、介護が出来ないやむを得ない事情をしっかり説明していき、それでも経済的な支援はするなど兄弟姉妹親戚の間に亀裂が生じないようにすることも大切です。
”出来ない””やりたくない”気持ちは皆さん大体一緒です。出来ることなら介護をせずに生活していきたいですよね。
可能な範囲で協力していく姿勢を大切にしていきましょう。
地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターは、簡単に言えば高齢者の健康面や生活に関しての地域の相談窓口です。
市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチームアプローチにより、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。(介護保険法第115条の46第1項)
厚生労働省HP


介護サービスを利用する

訪問介護に来てもらって、掃除や入浴介助をしてもらったり、デイサービスに行って他者と交流する場を設けたり、家族が旅行に行くときはショートステイを利用したり、
介護サービスを上手に利用しながら、介護疲れや負担軽減を図りましょう。


金銭的に厳しい場合
介護費用がかかることで、生活が厳しくなってしまう場合、公的な負担軽減制度や融資を活用する方法があります。
介護サービスの利用者負担額が軽減される利用者負担軽減制度や生活保護を申請するなど、その他公的な負担軽減制度はあります。
生活福祉資金貸付制度もあり、連帯保証人を立てる場合は無利子で貸りることが可能です。
ただ、貸付制度なのでいずれかはお金を返さなければなりません。
お近くの地域包括支援センターか担当のケアマネさんに相談してみてください。
親の介護、”自分ばかり…”にならないためには

様々な社会福祉制度が関わるため、難しくて一人で調整できるものではありません。まずはお近くの地域包括支援センターにお電話を!



・介護は一人で抱え込まずに、兄弟姉妹、親戚、地域包括支援センターなど、どこでも良いので相談する
・親の老後の希望を聞いておくためにも、介護が必要になる前に家族で介護について話しておくと心構えが出来て良い
認知症になる前にしておくべき対策についても併せてチェックしておくと良いですね。